●家庭学習の習慣作りのカギは、家庭の雰囲気です!
子どもに、「勉強しなさい」と言うだけでは、「後で」などと言い訳をして、勉強をしたがらないものです。そのため、子どものやる気を引き出すような雰囲気を作り、支えてあげることが大切です。
マラソンでは、スタートから数㎞の地点が、最も苦しいと言われております。家庭学習の習慣作りもそれと同じで、調子に乗るまでが特に苦しいのです。家族全員で、子どもが、その苦しみを乗り越えられるように、心から応援してあげましょう。

●親の考え・態度・行動が環境です
子どもにとって、家庭は安らぎの場で、親は最大で強力な学習環境でもあります。そのため、家庭では、ゆったりとしたくつろぎの中にも、ピリッとした学習の雰囲気が必要です。
長い時間生活する家庭の雰囲気が、自然に子どもの心や体に染み込み、その家の子どもらしさを形成していきます。つまり、親の生き方の薫陶〈徳の力で人を感化し、教育すること〉を受けながら成長していくのです。「子どもは、親の言うようには育たないが、親のするように育つ」と言われるゆえんです。
●子どもの「がんばり」を、心からほめましょう
元来、幼児や小学校低学年は勉強が大好きで、意欲的に本を読んだり、文字や数を書いたりするものです。その力をさらに伸ばしてあげるには、学習が終わったら、まず、その「がんばり」をほめ、すぐに成果を見てあげることです。
子どもの心を燃え上がらせるほめ方は、子どもの目をしっかり見て、
- ●心からほめる
- ●その場でほめる
- ●具体的にほめる
- ●物品を与えないでほめる
- ●励まし、認める
- ●人と比べないでほめる
- ●その努力をほめる
- ●いっしょに喜ぶ
- ●変化をつけてほめる
ことです。たとえ間違いがあっても叱らず、ヒントを与えて考えさせます。そして、すべてできたら、もう一度、しっかりほめてあげましょう。
このように、できた喜びを実感させ、自己有能感〈自分もやればできるのだという気持ち〉を持たせることが、学習意欲を持続させる秘訣です。
●親が本好きであれば、子どもも本好きに!
親が本好きで読書の習慣があると、子どもも本好きに育ちます。親が熱心に読書をしている姿は、何にも勝る「親子の共学」であり、薫陶となるものです。
「して見せて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」です。親も努力が必要です!
●心に余裕のある、温かい家庭を!
勉強好きの子どもや、困難を乗り越えていく子どもは、温かい会話や心のふれ合いのある家庭で育ちます。そして、このような子ども達は、親の願いに応えようと、がんばるものです。
「楽しみは三人の児ども すくすくと 大きくなれる 姿見るとき」(橘 曙覧〈たちばなのあけみ〉)というぐらいの心の余裕が大切です。
●勉強の意義を何度も話し合いましょう
小学校高学年、中学生になると、自分の生き方との関わりから学習意欲が芽生えます。どういう人になりたいのか、どんな職業につきたいのか、社会とはどのように関わっていくのかなどについて、日頃から話し合っておきましょう。
このことは、親の人生観を踏まえて行う、家庭での大切な教育です。子どもは、その夢に向かって、家庭学習をしっかりやろうと、ますますがんばります。